夢宴華

家族

「なんだ、オンナか…」
拘置所の中で父は、私が生まれたのを聞き、きっとそう言ったであろう。
だから、後に弟が生まれた時は、とても喜んでいた。
家族は、ヤクザまがいの父と、人の良い母と、父の違う歳の離れた姉、私、そして弟の、5人家族だった。
父は、飲む打つ買う、DVなんていつもの事、飲みに出掛けちゃケンカする。警察のお世話になってばかり…でもそんな父に、文句も言わず、いつも明るく笑ってたのは母だった。子供から見ても最悪な父を、いつも立ててる昭和の女でした。姉は、そんな家が嫌で、家出同然に早くにお嫁に行ってしまい、貧しい私たちを影ながら支えてくれてました。
弟は、ケンカで誰にも負けない父が大好きで、私なんかより、気持の優しい男の子に育ちました。

さてさて私は、明るく元気な男勝り！きょうだいの中でも、一番の問題児！
大嫌いな父に一番似てしまったかも…。