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そしてマンホールの上で飛び跳ねる女の子の不気味な笑い声。
『4…4…4…4…4…』
嫌だ…っ
瑠璃は耐えられずガタリと席を立ち上がった。
「どうした?神風」
息がし辛くて声が出ない。
ヤバい。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい。
思考が持っていかれる。
「あ~。先生!瑠璃、朝から調子悪かったみたいで。私が保健室に連れて行きますから」
何かを感じ取ったらしい七海は早々と説明すると隣で立ち尽くす瑠璃の手を取って廊下に出た。
先生が何か言っていた気がするが無視だ。
未だに顔色の優れない瑠璃を心配してかゆっくりと歩く。
「…なんか見たんだね。ヤバいの?」
声が出ないので微かに頷く。
「そっか…。大丈夫だからね」
そう言って七海は安心させるように瑠璃の冷たい手を握りしめて温もりを与えた。
瑠璃は少しだけ緊張を解く。
(大丈夫…。私は生きてる)
保健室にたどり着いた頃にはだいぶ落ち着いた。
「もう大丈夫そ?」
「…うん。落ち着いた」
「そっか。まだ一緒にいたほうがい?」
瑠璃は首を振る。
「わかった。じゃあ私は教室戻るよ」
「ごめんね」
…
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