憑依

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昼休み。 「瑠璃やん!屋上行こうぜ」 授業から解放されて上機嫌の七海がそうもちかけてきた。 「ほぇ?屋上?」 「こんなに天気いいんだし屋上でランチタイムっしょ」 そう言って七海は弁当箱が入ったバッグをちらつかせる。 「なるほど!ななやん冴えてる~」 ということで、さっそく屋上でランチタイムをとることになった。 「ありゃ?珍しいやないの。屋上来るやなんて」 なんとそこでばったりと購買のパンを頬張る木元と出会った。 「木元こそ。あんたいっつも教室で食ってんじゃん」 「ダチがフケたんよ…。教室で一人食うのも嫌やと思って」 そう言って木元はまた美味そうに一口パンを頬張る。 「夏も近いしね。サボりたくなるんじゃないかな」 「くっそー、あいつら。夏休みにクラスでやる肝試しの計画立てるから来いっつったんに」 「なに~…、ウチのクラス肝試しすんの?」 ガキじゃあるまいしと七海げんなりする。 「らしいで。二人でタッグ組んで学校回るんやて」 「げっ…」 さーっと顔を青くする瑠璃に木元はニヤリと意地悪げに笑った。 「なんや瑠璃ちゃん。ホラー苦手なん?」 …
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