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放課後。
瑠璃は椅子に座ったまま背伸びをすると立ち上がり鞄を取る。
「じゃぁななちゃん。部活頑張ってね」
「おう!瑠璃もきをつけて帰りな。…さっきのこともあるしね」
どうやら授業で具合を悪くしたことを気にしているようだ。
瑠璃は笑って手を振る。
「大丈夫だよ。じゃあね」
「はいは~い」
瑠璃と七海はお互いに挨拶を交わして教室で別れた。
七海は水泳部に入部しているのでだいたい瑠璃は帰宅はいつも1人で帰っている。
1人で帰るのは寂しいのだがこればっかりはしょうがない。
「はぁ~…、寂しい」
「よ!」
「うわぁっ」
気を抜いていた瑠璃は肩を勢いよく叩かれ形相の声を上げた。
振り返るとニコニコと笑う木元と目が合う。
「木元く~ん…」
「すまんてっ瑠璃ちゃん。だっていっつも仰山(ぎょうさん)驚いてくれるからつい…」
げんなりとする瑠璃を見て木元は慌てて謝る。
「つい…、なに?」
睨みつける瑠璃に木元はう…、と体を引いた。
「美人に睨まれると迫力あるわ~」
美人…。木元の言葉に瑠璃は顔を真っ赤に染めて否定する。
…
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