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さぁっと渦巻いていた黒い霧が晴れた。
それと同時に温かい、生きている人間の温もりを感じて嗚咽がもれる。
「瑠璃ちゃん!どないしたん!?大丈夫なんか?」
「瑠璃っ…しっかりして!私がわかる?」
ぼやけた視界で見上げた声の主は木元と部活をしていたはずの七海だった。
「ななちゃ…う、うぅ…っ」
とめどなく溢れる涙も嗚咽もとまらず瑠璃は七海に抱きつく。
「よしよし…、もう大丈夫だよ。はやくここを出ようね」
七海はつめていた息をホッとついて泣きじゃくる瑠璃の頭を撫でた。
木元はどうすればいいかとウロウロしていたが瑠璃の足元を見て驚愕に目を開く。
「ななみ…!足が…っ」
「え?…!!」
木元に急かされて瑠璃の足を見た七海は言葉を失った。
瑠璃の足に無数の痣があった。
人間の、しかも子どもの手の痣が。
ゾッとした2人は未だ泣きじゃくる瑠璃を抱えてその地を後にした。
…
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