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瑠璃は新聞を持って早めに家を出た。
朝とはいえ静寂した外界からかけ離れた家に一人でいるのはいやだったからだ。
いつも学校へ登校する道を歩きながら近くにあるこじんまりした公園のベンチに座り新聞を読む。
いつもの日常とは違う行動はどこか新鮮で違和感が胸をさいなんだ。
しかし瑠璃にはどうしても気になることがあった。
『最近なんだけど近所で子どもが行方不明になる事件が多発してるから気をつけてね』
あの林で見たたくさんの子ども達、瞬時に映し出された映像を辿った瑠璃は仁の言葉を思い出したのだ。
「あんなにたくさんの子どもがいなくなったんだ。どっかの見出しにでててもおかしくない」
パラパラと薄っぺらい紙をめくっていくうちにある見出しに目が止まる。
[神隠しか!?これで6人目。子ども達はどこへ行ってしまったのか]
「現在、警察が捜索中であるが目撃情報もなく誰一人見つかっていない模様…」
羅列を追っていくうち行方不明の子ども達の写真が写し出されていた。
見覚えのある顔が幾つかある。
学校の校門で見た血だらけの男の子、そしてあのマンホールの縁で蠢いていた子ども達。
…
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