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あの腐敗臭が漂うマンホールの中にあるモノはたぶん…。
瑠璃は思い浮かぶ悲惨な光景を振り払うように首をふる。
「…とにかくはやくあの連鎖を止めないと」
神隠しはマンホールがいっぱいになるまで何年も続くだろうと瑠璃は思う。
罪のない子どもが危ない目にあっているのに何もしないわけにはいかない。
しかし瑠璃はただ見えてはいけないモノが見えるだけで一般人だ。
わかったところでどうすればいいのかわからない。
「あの女の子…」
ふと思い出したのは助けを求めてきた少女。
瑠璃の身体に憑依しマンホールへと誘い殺そうとした張本人であるが。
「あの子がキーワード、だよな」
少々危険だが手がかりもないしあの少女を探すしかなさそうだ。
正直、これから先の事を考えると、怖い。
もしかしたらまた操られるかもしれない。
しかし助けを求められたのも確かで。
(助けなきゃ)
なぜそう思うかはわからないがそうしなきゃいけない気がする。
危険でも、死ぬことになっても。
覚悟を決めて新聞を握りしめ顔を上げた瑠璃は驚いた。
「きゃぁ…っ!?」
…
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