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そう、見てはいけない色々なものが。
そのせいで小さい頃から怖い目に合うことなどしょっちゅうで何度母に電話しそうになったか。
今ではそれなりに対処法を見つけてなんとかやり過ごしているが…。
「おっしいなー。私なんか住職継ぐのに霊感も何もないもん」
「おいおい…。あればいいってもんじゃないでしょーよ」
瑠璃は呆れた目で七海を見た。
「交通事故で亡くなった血だらけの女の人の霊とか見たい?」
「う~…それは、さすがに嫌かも」
七海はそれを想像したらしく苦虫を潰したような顔をしている。
「でしょ?普通が一番!何もない平穏な時間こそが幸せなのさ」
これまでの数々の恐怖体験を思い出ししみじみと瑠璃はそう感じた。
「いろいろ体験してるだけに瑠璃に言われるとなんか現実味がある」
「何の話してんの?」
「「うわ…っ」」
突如(とつじょ)介入してきた人物に瑠璃と七海は驚いて悲鳴を上げる。
「ぶっ相変わらずいい驚きっぷりやな」
「木元~っお前はいっつもいっつも!」
「うわっななちゃんが怒ったで。瑠璃ちゃん助けてや~」
「…大人しく鉄槌(てっつい)を受けてください」
「瑠璃ちゃん~」
…
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