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教室に響く先生の声に耳を傾けながら瑠璃は窓から覗く青い空を見上げた。
（退屈だ。地理はマジ頭に入らん）
携帯のGPSを使っても迷ってしまう瑠璃だ。
地理など頭に入るわけがない。
（いいもん。地理なんかなくても私は生きていける）
屁理屈のような考えを巡らせていた瑠璃はふと何かに呼ばれたような気がして下に広がるグラウンドを見た。
「…?」
校門に誰かいる。
（子ども…?）
校門の前にポツリと佇む男の子。
それだけなら迷子なのだろうと片づけることができたのかもしれない。
目を凝らした瑠璃はドクリと心臓が跳ねた。
男の子は血だらけだったからだ。
（まさか…っ）
無意識に震える身体を抱きしめて瑠璃はそれが何なのか認識した。
この世には存在しないもの。
不意に男の子と目が合う。
やはり顔は血だらけで、怖くて目をそらしたいのに身体は動かない。
たすけて…
「!?」
頭に直接響く悲痛な叫び声。
それと同時に思い浮かぶビジョン。
人気のない道路で遊ぶ男の子。
マンホール。
暗闇。
孤独。
寒さ。
肉の腐る臭い。
血。
…
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