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チクチクする…。 ボクの朝は爽やかな朝日でも、鳥の鳴き声でも、けたたましいベルの音でもなく このむず痒い感覚から始まるのだ。 次第にそれがうっとうしくなり、その感覚の方へと目を向けると 頬あたりに矢印が突き刺さっていた。 頭を横に向けるとピンク色のポップな形をした矢印が壁を突き抜けて一直線にボクの頬をめがけてツンツンしていた。 お天気ニュースなどでもよく使われる矢印の指し棒。 あれの矢印の尻部分だけを延長して伸ばしようなもの。 それをイメージして欲しい。 そんな物が何故か僕の目の前にあった。 何故かというのはおかしいな。 こいつが何なのかもよく分かっているし。これが僕をつついている理由も理解している。 とりあえず、その矢印を手で払いのけてベッドから身を起こす。 洗面所へと向かう途中もピンクの矢印は常にボクを追いかけてくる ドアを閉めて籠もろうが、物陰に隠れようがこいつはくる とりあえず、いつもの事なので無視を決めて顔を洗う。
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