アカゴガナイテル

3/27
前へ
/27ページ
次へ
ある平日の晩彼が、そろそろ寝ようかと部屋の電気を消すと、ピンポーンと突然呼び鈴が鳴った。宏明は驚いた。時計を見ると、12時半を過ぎている。この時間に配達や郵便が来るとは考えられないし、ただでさえ付き合いのない隣人にしたって、もっと早くに来るものだ。この時間に部屋に人を呼んだ覚えはない。ならば、ドアの向こうでインターホンを鳴らしたのは、何者なのだろうか?ありえない話だが、旅をしているヒッピーしか思いつかない。それは自分が学生時代に、アメリカに行った時に出会ったヒッピー達に憧れ、かぐや姫の歌に出てきそうな「三畳一間」みたいな暮らしをしながら「ラブ&ピース」を謡ってたためかもしれない。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加