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『はぁ~マジ疲れた~』
撮影を終えて帰宅したあたしは、真っ先にベッドの上に横たわる。
今日は本当に最悪な日だ。
なんでよりにもよって「叶美」の話を聞かされなくちゃいけないんだろう。。
気合いを入れて臨んだ撮影だったのに、気分が沈んでそれどころではなかった。
最近、どこへ行っても、叶美叶美叶美叶美…
『あぁーマジ腹立つ!!今すぐ消えろ!!』
あたしの身体は「叶美」という言葉を聞くだけで、拒絶反応を起こしているような気がした。
いや、すでに反応は出ている。
『あ!』
あることを思い出し、あたしはベッドから身体を起こした。
そしてパソコンの電源を入れる。
「叶美」からの返信がないかを確認するためだ。
・
・
・
!!?
なんと、思いがけず「叶美」からの返信が来ていた。
自分からメールを出していたわりに、どうせ仕事で忙しいし、返事なんてよこさないだろうと思っていた。
それだけに、あたしの驚きは大きかった。
そして、黒い期待に心が踊る。
「叶美」と…………
…………………繋がる
あたしの心は灰色の雲に覆われてゆく。
それは今すぐにでも大雨が降り出しそうな巨大な雨雲だった。
あたしはドクドクと鼓動が速くなるのを感じながら、「叶美」からのメールを開いた。
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