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撮影を終えたリョウとあたしは、原宿でごはんを食べてから、リョウのマンションへ向かった。
部屋に着くなり、ソファーに座ってくつろぐあたし。
リョウの部屋はとても居心地が良い。
このまま同棲なんてできたら、夢のような日々になるだろう。
『ね~!オーディションの締め切りに間に合うように、現像よろしくね!』
「わかってるよ」
そう言ってリョウがあたしの横に座る。
そして…身体を触りながら…キスをする。
『ちょ、まだ早くない!?』
「いいじゃん…」
『……んっ』
リョウの指先は驚くほど器用だ。
あたしはいつもその指に招かれ、身を委ねてしまう。
『………あっ』
リョウに心も身体も預けているときだけが、あたしの唯一の至福のときだった。
このときだけは、どんなに嫌なこともすべて忘れられた。
「いれるよ…」
『……うん』
あたしはこの瞬間が1番好きだ。
リョウを手に入れる瞬間。
あたしだけのものになる瞬間。
何ものにも替えがたい幸せだった。
この幸せを、一生守り抜くんだと、あたしは身体を重ね合わせるたびに思うのだった。
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