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セックスをした次の日の朝は、なんでこんなにも眠いのだろう。
まるで、身体中のすべてのエネルギーが吸い取られてしまった感じだ。
あたしは、リョウの出勤にあわせて、一緒に家を出る。
今日はバイトが遅番なので、あたしは少し仮眠をしようと家に戻ることにした。
自分の部屋に着き、服もそのままに、あたしはベッドにダイブし、目を閉じようとまぶたを下ろす。
狭くなる視野の中、ぼんやりと浮かぶパソコンと目が合った。
その瞬間、あたしは跳び起き、パソコンを起こす。
「叶美」からの返信をチェックするためだ。
ジジージジー
パソコンが起動するまでの時間を、こんなにも長く感じたことはない。
インターネットに接続し、サイトを開く。
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「叶美」からの返信は……
なかった………
『なんだよ!』
あたしは声を荒げる。
「叶美」からの反応を、かなり期待していただけに、あたしの落胆する気持ちは相当なものだった。
それに、悪気はないと分かってはいるが、昨日、撮影をしていたときに、リョウの口から思わず「叶美」の名前が出たことも、ずっと気に食わないでいた。
あたしはそれらの気持ちを消化するかのように、あることを思いつき、携帯電話を手にする。
そして非通知電話をかけた。
何度も何度もかけまくった。
「非通知拒否」をしている相手の電話は、あたしの電話を繋ごうとしないが、それでいい。
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