【本編】

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「お客様~?いかがですか~?」 試着室の外から店員が声を掛けるので、本当は出たくないが、あゆりは渋々外に出た。 「わ~お客様すごくお似合いです~!!お客様はスタイルがいいので、身体のラインがとても綺麗に出ますし、お客様の今日のヘアスタイルにも合ってますよ~」 あゆりは、漆黒の髪をお団子にして頭の高い位置でひとつに束ねていた。 「どうもありがとうございます……」 営業文句だろうとなんだと、褒められるのは悪くないなと、試着室を出るときの不愉快さは少し和らいだ。
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