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――某ラノベの冒頭にはこう書いてある。
朝起きたら、鏡の中に見知らぬ女がいた、と。
この主人公は自らが女になってるんだが……これは、彼が洗面所に行き、鏡を見ても、自分の異変に気付かなかったと言う事だ。
何故、こんな事を言ってるか、だと?
簡単な話だ、俺も同じように、女になってる訳だよ。
朝、布団の中で意識が覚醒したら、この有り様だ。
自分の身体だ、胸元にこんな丘はない。
あえて言おう、下がなければ、普通気付く。
少年?:「俺は臓物飛び出たぬいぐるみなんて持っちゃいねぇぞ……」
しかも、俺はその主人公より、大変な事になっている。
頭には獣耳、尾てい骨から獣のしっぽ。
ついでに髪の毛が橙色でぼさぼさで、左の二の腕あたりに蛇のようなアザが浮かび上がっている。
少年?:「…………何が、どうなってるんだよ……」
幸いにも、俺は諸事情で小さなアパートに一人暮らしだ、部屋内であれば行動も問題ないと思う。
少年?:「夢じゃねぇんだよな……」
一人、洗面台の前でいわゆる orz をしているのは、我ながらシュールだと思う。
あ、申し遅れた、俺の名は……、
少女:「獅子座だよっ‼」
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