第1話 : Road

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――世界暦514年・夏―― ――ヴィップ国・アロプス町―― ('A`)「見ろよブーン、来たぜ」  空は白みきって、快い朝風が木々の葉を揺らす。  乾いた空気を吸い込んで、空を見上げ、息を吐く。  街の中央にある広場、更にその中央にある朽ちかけた掲示板。  そこに貼り出された一枚の紙は、風にさらわれることもなく、その場に佇んでいた。 ('A`)「新兵急募……一週間後の正午から、ヴィップ城下町の国立公園で入軍テストか……」 ( ^ω^)「随分急だお。いつもなら一ヶ月前には告知するはずだお」 ('A`)「ラウンジの南進の影響だろうな……本格的な戦いになるらしい」 ( ^ω^)「兵糧が貯まる秋には……ってことかお……」 ('A`)「あぁ……かなりの犠牲が出るだろうしな……。    その穴埋めか、もしくは、ラウンジ戦での新戦力か――――」  新戦力。  胸が、高鳴った。  いきなり、戦争に出られるかも知れない。"アレ"を手にして、戦場を駆け巡れるかも知れない。  抱えたいくつかの目的を達成する日が、大きく近付いた気がした。 ('A`)「行くよな、ブーン?」 ( ^ω^)「当たり前だお! 18歳になってからずっと待ってたんだお!」 ('A`)「俺もだ。入軍テストがどんなのかは分からねぇが……。    ずっと訓練してきた俺たちなら、きっと大丈夫さ」 ( ^ω^)「絶対入軍するお……そして、ヴィップ国の天下統一に貢献するお!」
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