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('A`)「あぁ……そして……」
ドクオは懐から一つの封筒を取りだし、併設された投書箱に入れた。
侘びしげな表情を浮かべながら。
( ^ω^)「妹さんへの手紙かお……?」
('A`)「あぁ……だが、こんな世の中だ……配達屋が襲撃される事件も起きてる……。
オオカミ国まで届く可能性は高くないな……」
( ^ω^)「……戦争は色んなものを引き裂くお……肉体と魂だけじゃなく、大切な人との絆さえ……」
('A`)「……お前も、親父さんの仇、討たなきゃいけないもんな……」
( ^ω^)「だお……だからヴィップ国のために戦うお! とーちゃんもきっとそれを望んでるお!」
('A`)「……俺も、また妹と一緒に暮らすためにも……ヴィップ国を天下に導くぜ」
互いの拳を突き合わせ、軽く笑った。
陽の姿が東の彼方に確認できた。
──────
足早に過ぎる日々は記憶にもほとんど残らず、気付けば、一週間が経過していた。
晴天ではないが、雨は降っていない。テストは行われそうだ。
ブーンとドクオが住むアロプス町から、歩いて二時間程度。
ヴィップ城下町は、それほど離れた場所ではない。
この日は臨時で輸送屋が町に多く集まっていたので、尚更移動は苦にならなかった。
普段は子供の遊び場、老人の憩いの場として機能している国立公園だが、この日は殺伐としていた。
ガタイの良い男たちが、闘志を漲らせている。
鋭い双眸を光らせ、荒い吐息を振り撒く。
まだ三十にもなっていない青年ばかりだが、みな血気は盛んだった。
公園の東側出入り口に設けられた受付で身分証明をし、受験番号を割り振られた。
ドクオは0863、そしてブーンは0864。到着が遅かったせいもあり、番号はかなり大きかった。
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