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肩を掴まれ、ドン、と強い力で椅子の背に背中を押しつけられて、痛みで顔が歪む。
『ッ、痛いっ、』
「なぁ、あいつのこと怖いって思う?気持ち悪いって思った?」
『…何、』
「……悪いけど、俺もあいつと同じだから。」
…同じ?
何が?
「いつも亀//梨のこと見ながら、すぐにでも押し倒して、俺の下に組み敷いて、亀//梨にたくさん酷いことしたいって、俺だって思ってるよ?」
『…、』
「…自覚しろよ。俺と今日告ってきた奴以外にも、お前をそういう風に見てる奴って他にも絶対いるぜ?」
『……そんなこと…、』
「っ、気付けよ…!!お前を見てる奴なんて、ただ言わないだけで、もっといんだよ!!」
『っ、』
怒鳴られて、俺は小さく息を飲んだ。
「…わかんねぇんだったら、俺が教えてやるよ。」
『…えっ、待っ!!』
――――ガタッ!!
急に腕を引っ張られ、座っていた姿勢から、そのまま教室の床に背中と頭を打ち付け、痛みに目を瞑る。
次に目を開けた時には、天井からぶら下がる蛍光灯と先輩の顔が俺の視界を奪っていた。
『…せ、んぱい?――ッ、』
先輩の顔は……必死な、…まるで、泣きそうな顔で、胸に小さく痛みが突き刺さる。
先輩を呼ぶのと同時に、グッと襟元を引っ張られ、そのまま先輩の顔が近付いてくる。
―――キス、される。
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