君のいない朝

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そんな亀が可愛くて、俺は亀に見つからないように抱き締める腕をキツくして、こっそり1人頬を緩ませていた。 “…じーん。” 目を瞑れば、幸せそうに笑って俺を見上げる亀の顔が浮かんで、どうしよう、亀に会いたい。 今、会いたいって電話したら亀はなんて言うだろう。 俺も? いや、亀はそんな素直じゃねぇよな。 馬鹿野郎、何甘えたこと言ってんだよ。 って怒られそう。 …うん、亀なら、きっとそう言うだろうな。 ―――Pipipipi…、 『…あれ、』 そんなこと考えてたら、突然部屋に電子音が鳴り響いた。 音がどこで鳴ってるか探すと、ベッドの下に落ちてしまっていた携帯電話を見つけた。 …誰だよこんな朝っぱらから。 眉間に皺が寄るのを感じながら渋々携帯電話に手を伸ばした。
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