君のいない朝

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―――Pi、 『…Hello?』 あ、今の俺の声、超機嫌悪そう。 「―――…バーカ。何外人気取ってんだよ。」 少し間が空いた後、微かに笑いを含めた声は、 『…え、あれ?かめ?』 そう、まさに俺が今会いたいと思っていた人のもので。 「―――…うん。ふふっ、何、仁今起きたの?」 電話越しから聞こえるクスクスと楽しそうに笑いが混じる亀の声に、じわじわ愛しさが募っていく。 『いや、さっき起きて…、…………亀のこと、考えてた。』 「―――…………。…仁って、本当にそういうことよく言えるよね。」 俺の言葉は軽くスルーされたけど、 さっきより長く空いた沈黙は、ただ俺と亀のいる場所が離れてる、という理由だけではないと思う。 それに、最初の声よりも小さくなっていて、まるで拗ねてるような、照れてるような、そんな声。 …ねぇ亀、今どんな顔してる? 真っ赤な顔してたりすんのかな。 『…だって、本当だし。』 亀も俺に会いたいって、そう思ってくれてる? 『…亀に会いてー。』 亀も俺も仁に会いたい、なんて言ってくれる? 「―――…馬鹿野郎。何甘えたこと言ってんだよ。」 『…ふはっ、ごめん。』 期待はずれ、でも予想通りの言葉に、あぁやっぱりこれが亀だよなぁ、と少し笑った。 だって、突き放すような言葉の割に、甘やかすみたいな、そんな優しい声だったから。 無意識に甘えて、甘やかしてしまう、そんな2人の関係はいつまでもくすぐったく感じる。 すると、次いでさらに小さくなった亀の声が聞こえて、静かに耳を澄ませた。 「―――…あの、さ、」 『うん?』
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