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「やめろよ、あんな男。」
『…いきなり何言ってんの?』
北校舎2階の一番端っこにある2年7組。
その教室の窓側の前から3番目の席が俺の席。
その俺の机に両手をついて、眉をキリリと上げてイラつき顔の友人の名前は田//中聖。
俺、亀//梨和也はというと、聖が何の事を言ってるのかさっぱりで、購買で買った新商品のチョコメロンパンをかじる。
(…あ、これうまい。)
「なんであんな男と一緒にいんだよ?亀に似合わない。」
『…はぁ。』
…おいおい、さっきの俺の質問はまるっとスル―ですか。
「っていうか亀には俺がいるだろ?何?俺だけじゃ役不足?」
『…いや?』
「だったら言えよ!!俺、逃げないでちゃんと聞くから、俺に不満に思ってることあるなら何でも言えよ!!さぁ!!」
『いや、そんな“さぁ!!”と言われても、』
「…あーっ、ごめん、知ってる。知ってるんだよ亀がすんげぇ優しくていい奴だってことは!!そんなこと、俺が誰よりも一番亀のこと知ってる!!だけどな?時にはガツンとはっきり言った方が良い時もあんだよ。大丈夫、俺たちならこれからもきっと上手くやっていける。な?だから思ってることがあんなら、はっきり言ってくれよ!!」
『あー、うん、じゃあ言うけどさぁ…。』
「おぅ、何だ!?」
『…聖って俺の彼氏?』
「は、」
『さっきから誰の話してるのか全然わかんない。あ、あと聖の声って結構うるさいから。自分以外のクラスで騒ぐの、このクラスの俺が迷惑だからやめてくんない?』
「…は、」
『?』
「はぁー!?おまっ、今頃その質問?もっと早く言えよ!!」
『……一番最初に聞きましたけど。』
「じゃあ今までの俺の話ほとんど理解してなかったってことじゃねぇか!!」
『うん。見事に右から左に。』
「あ、そう。右から左にね、って流すんじゃねぇよおい!!しかもお前スパッと毒舌まではきやがって…!!」
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