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『え、マジ?やったー。暇暇、俺超暇。あ、俺ラーメン食いたい!!』
「じゃあ決まり。忘れて勝手に帰んなよー?」
『わかったわかった。』
そう言って仁も自分のクラスへと戻っていった。
すると、今までのを見ていただろう、俺の後ろの席の上田がぼんやりと口を開いた。
「今日は亀ちゃん人気者だね。」
『あ、ごめん、うるさかった?』
「ううん、大丈夫。……ねぇ、あの仁って人さぁ、何で亀ちゃんにいつも借りるんだろうね。」
『?仲良いから借りやすいんじゃねぇの?』
「ふーん…、そっか。(あいつの1組のクラスから離れたこの7組までわざわざ、ねぇ…?)」
上田がそんなこと考えてるなんて知らずに、俺は放課後に行くラーメンの店を考えるのに頭がいっぱいだった。
「…かめ、ラーメンって言わなかった?」
『だって途中でラーメンよりビックマックのお腹になったんだもん。』
「まぁ、いいけどさ。」
約束通り、仁がおごってくれるということで、俺はビックマックをおごってもらっていた。
「うまい?」
『うまーい。あーこれからも教科書忘れてこいよ?俺貸してあげるからさー。』
「ぶはっ、亀、単純ー。」
『はぁ?仁には言われたくないんですけど、……。』
「?どうかした?」
…仁はモテるけど、別にそれを俺に自慢してきたことはないし、こうやって一緒にいても普通に楽しいし、聖は何を見て俺に仁のことをやめろ、と言うんだろう。
『…いや、さー。仁は別に良い奴だよなーって。』
「え、何いきなり。」
『いいのー。ただそう俺が思っただけだから。』
「ふーん?…あ、この後どうする?どっか行く?」
『んー、まだ4時半とかだろ?まだ遊べるよなー。』
「あ、じゃあそこのカラオケ行かない?」
『お、いいじゃん。それじゃあカラオケ行こうぜ。』
カラオケか。
そういえば仁と2人で行くの初めてかも。
確か仁って結構歌うまいんだっけ。
店を出て、カラオケに向かう途中、仁と話しながらそんなことを考えて歩いていると、俺の携帯がケツポケットの中で震えた。
(あ、聖だ。)
仁に電話に出ることを伝え、通話のボタンを押す。
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