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『聖?どうし、』
「おい、お前赤//西仁と今一緒にいんの?」
『うん。ビックマックおごってもらったんだ。いいだろー。んで今からカラオケー。』
聖の余裕ない声に少し不思議に思いながらもそう答える。
「ばかっ、やめろって散々言ったじゃねぇか!!今上田と駅前のファミレスいるから、赤//西とはそこで別れてすぐ来い、今すぐ来い!!」
『は?今すぐって…、』
何だよそれ。
…聖は良い奴だけど、一方的にこうも自分の友達が悪く言われると何かムカつく。
何だよ、自分が仁とあんま仲良くないからって俺まで聖に合わせなくてもいいじゃん。
マジでお前は俺の彼氏かよ!!
『は?何でそんなこと言われなきゃなんないの?』
「何でもだよ!!詳しくは亀がこっち来てから話すから、早く来いって!!」
……かっちーん。
『い・や・だ。』
「はっ、ちょっかめ…!!」
ブチっ。
それだけ言って通話終了ボタンを押す。
…何だよ、俺は聖の言うことをきく都合のいい友達じゃないんだけど。
「あれ、今ので電話切ってよかったの?」
『あ、大丈夫大丈夫。』
「大丈夫ならいいけど。」
『電話のことは気にしなくていいから、早く中入ろうぜー。』
こんなんで聖とは仲悪くなったりしないし。
明日会ってもまだ何か言うようだったらケツに蹴りいれて黙らせよう。うん。
ケツポケットの携帯がまたしつこく震えていたけど、そんなん無視無視。
~♪
カラオケでは、やっぱり仁の歌は上手くて、歌をリクエストしたり、自分も歌ったりして結構盛り上がって楽しんでいた。
『ちょっとトイレ行ってくるー。』
カラオケに入ってから1時間、トイレに行きたくなって部屋を出ようとすると、近くに置いてあった仁の鞄を見て、一瞬「あれ?」と立ち止まる。
(…なんだろう、何かが違うような…。)
そう思いながらも本当に小さな違和感だったし、トイレに急いで行きたかった俺は何も聞かずに部屋を出て行った。
トイレから戻ると、自分の曲が流れてて慌てて歌っていたら、そんな違和感のことなんてすっかり忘れていた。
…その違和感の正体は、俺は後で知ることになるんだけど。
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