二人で一つ

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それから、俺のなかや周りではいろんなことがあった。 俺のなかでは大ニュースばかりだったけれど、多分彼女にとってはどうでもいいことだと思う。 俺は彼女に対して、嫌悪を通り越して、存在を忘れていたほどだった。 毎日が楽しくて、以前の数倍、いや、数百倍も充実しているような気がした。 …おそらく、彼女は反対だったと思う。 すなわち、数百倍もつまらない毎日。 これはけして俺の自惚れなどではなく、れっきとした事実だ。 彼女は親と不仲で、彼女にとって家は安らげる場所ではなかった。 それどころか、暴力さえふるわれていた。 なぜ俺がその事実を知っているかと言うと、彼女が俺に悲壮感漂わせて訴えた …のでは断じてなく、それが周知の事実だったからだ。 近所のおばさん達の井戸端会議では毎日のように話題にあがっていた。 うちの母さんも家で「可哀相ねぇ」なんて言っていた。 だが、まぁ、皆他人事なのだ。
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