その後のはじまり

6/8
前へ
/10ページ
次へ
「あそこよ。ほら、カゴが見えるでしょう?」 慌てて帰ってきた娘に連れられてやって来た父親は、ゆっくりと一歩ずつカゴへと進んでいく。 少女も父親の服の裾につかまって、恐る恐る近づいてゆく。 カゴの向こうに、眠るようにして彼はまだそこにいた。 「本当だ。しかしなぜこんな場所で?」 横たわる彼は、見たことのない衣服を身につけていた。 とにかくこの、聖なる場所に死体を置いておくわけにはいかないので、担ぐことにした。 すると。 「あの…」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加