9人が本棚に入れています
本棚に追加
大切な君へ
こんなに真正面から彼女の顔を見たのはこれが初めてだった。
泣いていたのだろうか真っ赤に腫れた目で僕を見つめ少し困ったように笑う。
そんな彼女はいつにもまして小さく見えた。
触れれば壊れて無くなってしまいそうなほど儚く見えた。
人は、人を想ってこんなにも切なくなれるのだろうか。
どこからこんな感情が溢れ出したのだろうか。
自分を犠牲にしてでも目の前の彼女を守りたいと思った。
君を否定するものなんてこの世から無くなればいい。
君を傷つけるものなんて消え去ってしまえばいい。
そう思った。
そう思えた。
心からこう願う。
どうか、この世が終わっても君だけは幸せでありますように。
最初のコメントを投稿しよう!