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「いや、悪ぃね」
今夜も鉄パイプを振りかぶり、食費を稼ぐ。
「――つまらないな」
今夜の財布は、ヒラリとそれを避けた。
「うぉっ!マジでか!?」
これでも人を襲って、うん年のキャリア持ちだぜ!?
しかも、襲われてるのに、めっちゃ余裕なんですけど!
「つまらない、つまらない。君のやることは、まったくもって興味がない」
「そりゃあんた、襲うのは俺の都合だかんな」
「そうだ、君の都合だ。今日、今夜、人通りのないこの場所に、僕がいるのは全く君の都合だ」
……イカレテル?
「まぁ、いいか。襲いにくいから、頼む、大人しくしててくれよ」
「よくわかった」
そう言いながら、またも目前の財布は、鉄パイプを避ける。
「むきーっ!!わかってねーじゃんか!」
「いやいや、よぉく分かっているよ。君のことも、よぉく分かっている」
――ドクン
「……てめぇ…なんかの罠かっ…!?」
「罠…罠…。うーん…そこの返答は難しくないな。だから答えよう」
「………」
「………」
「…………」
「…………」
「……………」
「……………」
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