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「答えねーのかよっ!!」
「答えたじゃないか」
な、何だコイツ!
今までの暴漢歴でも、こんな訳の分からない奴は見たこともねぇっ!
「訳わかんねーっ!!」
「よく言われないな」
財布が何かに見切りをつけたように、すぅと俺に近寄ってくる。
「な、何をっ………はがぁっ!?」
むんずと。
無造作に俺の舌は、財布の左手に掴まれた。
「むがっ…あがっ…!?」
「――そろそろ、面白くなってきた」
財布の表情は、無表情で
「僕は、零崎ではない。故に、零崎を始めない」
財布の右手は、無慈悲で
俺は、その時
――財布の右手が白銀に輝く巨大なペンチを取り出した時――
絶対の死を悟った。
絶命の覚悟をした。
なのに。
俺は生きるのを諦めたのに。
「むっ……あがっ…あがあああああああああああっ!!!」
――【食欲】は諦めることを拒絶した。
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