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46億年。
そんな遙か昔に地球はたくさんの岩石が集まって出来たとされています。
「されている」という表現しか出来ないのは、かつて地球は一度どろどろに溶けて昔の姿を留めていないので、地球の土を調べてもはっきりとした事は判らないのです。
地球には時々、隕石が落ちてきます。これら隕石は地球創生当時に落ちてこなかった、「地球のパーツ」です。これらを調べる事により、地球の大昔の姿を垣間見る事が出来るのです。
しかし隕石として落ちてくる時、大気との摩擦で変質をしてしまう為に、本当の姿をしているとは言えなくなってしまうのです。
「それならば隕石の元に実際に出向いて、本来の姿の土を採ってこよう」
実際、隕石の元がたくさんある場所があることは分っています。しかしそこは火星と木星とのあいだ、約3億㎞も離れている場所にあり、そこに行って帰ってくるだけの技術が今までなく、やりたくても出来なかったのです。
科学者達は研究を重ね、技術を上げ、幾度とない成功や失敗を積み重ね、遂にその計画が遂行できる機械を造りあげました。それが小惑星探査機はやぶさ(工学実験探査機MUSES-C)です。
はやぶさは寸法1m×1.6m×2m、510㎏。初の実用化されたイオンエンジンを搭載した探査機です。旧来の化学燃料を噴射するエンジンよりも格段に燃費が良く、これを開発出来たからこそ遠距離の航行が可能になりました。
観測機器として可視光、近赤外線をはじめとする各種カメラ、レーザー高度計の他、小型探索機ミネルヴァ、ターゲットマーカー等々、最新技術を詰込めるだけ詰め込んだ技術の塊です。
はやぶさの目標は、小惑星イトカワに辿り着き、そこの表面の土を採取して地球に持って帰る事。
簡単に言いましたが、これが如何に大変な事であるかは次の本編で語ることにします。「不死鳥~はやぶさ物語」のはじまりです。
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