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2003年5月9日13時29分25秒
僕はMESES-C、探査機だ。僕を宇宙まで運んでくれるMVD5ロケットのおじさんの最頂部に格納されて発射された。
「坊主、これからお使いに出るんだって?そんな小さいのに偉いなあ!」
「うん!火星と木星の間にある「1998SF36」って小惑星に着陸して、そこの土を持って帰ってこいって言われたよ。 だけど凄い遠いんでしょ?ひとりぼっちの旅だし…少し心配だよ」
「大丈夫だ!坊主を作った科学者のおじさん達は万全の準備をして送り出してくれたんだ。俺も虎の子のキックモーターを使ってでもお前を無事に送り出してやるよ!」
そう言う間におじさんはグングンと力強く上昇する。1段目、2段目、3段目。おじさんはブースターを切り離しながら加速し
「俺はここまで。後は自分で頑張るんだ。地球の科学者の人達との通信はこまめにするんだぞ。」
「さあ、行ってこい!」
MVD5ロケットのおじさんは思い切りキックモーターを伸ばし、僕を太陽周回軌道に乗せてくれた。
行ってきます。僕は必ず帰ってくるからね!
早速地球の科学者のおじさんから連絡がきた。
「無事に軌道上に乗ったようだね、おめでとう!この瞬間から君に「2003-019A」という識別番号が与えられたよ。これは国際的に人工衛星として認められた証になるものだけど、君にはあまり意味が無いし、第一ツマラナイよね。 だから君にはもう一つの名前を考えているんだ。」
「それは、どんな名前ですか?」
「『はやぶさ』だ。大空を自由に舞い、地上の小さな獲物を捕まえるよう、願いを込めた名だよ。 どうだい?気に入ってくれたかな?」
「はい!ありがとうございます!」 僕は嬉しかった。
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