*002* タカラ

1/1
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

*002* タカラ

アタシいつの間にこんな弱くなったんやろ。 大好きな気持ちだけじゃ頼りなさすぎて、安らぎ求めてしまうわぁ。 結局は愛じゃないげんなって痛感してしまう。 でもホントはそんなん最初から分かっとる。 アタシは人のこと愛せん人間やから。 ホンネ言うとさもう何年も本気で人好きになってない。 いままで付き合った人も、考えてみればそんなに好きじゃなかったんかもっていうくらい。 今も苦しくて、寂しくて、それ紛らわすために男作るんかなぁ。 それから逃げるために。 アタシなんて生きとる価値ないんにね。 でも錯覚でも価値あるって思いたくて… 生きとること自分に証明してやりたくて… アタシのこと必要としてくれる奴探して、そいつにすがってさ。 騙された可哀想なアンタが逆にアタシにすがる。 なんか変やけど心地よくて離れられない。 いつもミンナ自分みたいなんじゃないかって、ミンナ異常なんじゃないかって、たまに思いんて。 それが邪魔しててさ、アンタの愛を信じられない。 そんで取り合われながら悲劇のヒロイン面してここにおりんよ。 『誰かアタシ殺してくれかなぁ~』って思うよ、マジで。 笑えんね。 どっち行っても後悔すんのは目に見えてんのになぁ。 まだ逃げたがってるわ。 幸せなんて逃げて手に入れられるもんじゃないんにね。 ただ幸せなんているん?って感じもありんて。 じゃあもういっそ全部手放しちゃおうかなぁ。 アタシにそんな権利与えりんから世の中腐っとるわ。 アタシこれからどうなるかなぁ。 まぁたいしてなりたいもんもないし、明日死んでも大丈夫。 数人の誰かが偽善で泣いて、何日後かに忘れられて終わり。 アンタもきっとそうやよ。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!