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「…ハッ、ア-‥。」
重なる彼女の腰を引き寄せて、露わになったままの白い首筋に吸い付いていけば漏れる声は今までのどんな人よりも堪らなくて。
「マジであんた世界一かも。」
「え?」
「たまんないくらい綺麗だからさ。」
顔をあげた私の前にはハの字に眉を下げた彼女。
「…彼も、それくらい言ってくれないかしら。」
「またそれ。」
いつも甘く褒める攻めるたびに彼女からついて出る溜息。
こんな彼女を持って、こんなことを言わせる彼氏もどうかと思うけど
「照れ屋なんじゃない?」
なだめる様に猫っ毛の細い髪を梳く。
「少し強引ぐらいじゃないと、嫌よ。」
「そんなもんなんだ。」
「そうよ。」
「でもその彼のおかげで生活には困らないでしょ?」
絡めるようにつないだ右薬指には、あなたから貰ったダイヤの指輪。
そして、あなたの左薬指には、もっと大きいダイヤの指輪。
「その通りだけど、おかげで私は欲求不満だわ。」
「ブッ―!」
「あら、なんでそこで笑うのよ?!」
慌てふさいだ口を押さえても、吹き出してしまったことは誤魔化せなくて。
「あ、いや…。」
「なによ。」
ドキッとする。
あの日、クラブで私に声をかけてきた時と同じ瞳をしていたから。
「素直だなぁって。」
「……それだけ?」
まだ納得のいかない様子の彼女の艶やかな唇にまたキスをした。
「ほんと、あんたっていい女。」
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