341人が本棚に入れています
本棚に追加
美『てゆか、これど―するよ。』
現実逃避をするかのように元通りに包まれて左手に抱えられた、親友からのプレゼント。
ハッキリ言って、着る機会は無い。
もちろん、その親友は今日も新撰組の話を美羽にするのだった。
まあ、美羽はあまり興味がないのでほとんど流しているのだが。
このプレゼントの活かし方を滅多に使わない脳みそをフル回転させて考えていると、足に明らかに道路ではない感触がした。
美『ん?』
違和感のあった足元を見てみると、一匹の野良犬が。
なんとも険しい表情で美羽を見ている。
いや、睨んでいる。
なんだこの糞犬。
と、思いながらも、よ―く足元を見てみると、なんと美羽の足の下に犬の尻尾があるではないか。
そう、お察しの通り、美羽は犬の尻尾を踏んでいたのだ。
そら、犬も睨むわけで。
美『‥あは、あはは‥。』
だだっ!!!!!
乾いた笑いをこぼし、一瞬の沈黙を持った後、美羽は回れ右をして一目散に走りだし逃げきった。
‥わけもなく。
美『ぎぃやあぁあぁあ!!!』
華の女子高生とは言い難い叫び声を発しながら逃げまくる。
家と反対の方向に。
最初のコメントを投稿しよう!