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昼休み、悪友である小神翔太との昼寝に付き合ったために、昼の授業の途中からの参加となった。
「あとから行くよ」と告げた彼だが結局その日の授業はなにひとつとして受けることは無かった。
その日はいつものサボり癖だろうと、考えていた雄二だったが、それも一日、一日と過ぎて行くと雄二はそんな考えを改める事となった。
――あいつは、何日もずる休みなんかしねぇ……どうしたんだ?
ふとしたそんな違和感。雄二は、真っ先に翔太の自宅を尋ねる事にした。
学校が終わり帰り道。まっすぐに家へと帰るならば確実に遠回りとなるが、今の雄二にはそんな些細な事は気にならなかった。
翔太の家に着くまでに雄二は、翔太が休んでいるだろう理由を考えた。
「素直に風邪でも引いたのか?」
――いやいや、あいつはああ見えて身体だけは丈夫だったからそれは無いだろう。
「学校が嫌になった……」
――あいつは、それなりに学校について愚痴をこぼしていたが、なんだかんだで毎回学校には来ていた。
「それじゃあ何が理由なんだよ……」
思い当たる節があまりにも多すぎて、雄二はこれだと確信し思うような答えには辿り着けないでいた。
そんなもどかしさが雄二の胸の内を蹂躙する。
「ぁぁぁあああっ!どうせ、アイツの家に着けばなんかしらの答えが出るんだ。それまで考えるのやめよう……」
そんなもやもやとする気持ちに耐え切れなくなった雄二は、自分に言い聞かせる風に小さく呟いた。
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