+違和感+

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しばらく、舗装された道を歩いて行くともう何度も訪れた事のある小神家宅へと到着する。いつものようにインターフォンの呼び鈴を数回鳴らす。 「………………」 無反応……いつもならば、面倒臭そうに扉を開けてくれるのだが、その気配も今はない。 ――居留守か?……それは無いような……でも全くないって事にはならないし……しょうがねぇ。 「…………不法侵入よ」 雄二はそう意を決し小神家の門を開き敷地内へと一歩足を入れた所で声をかけられる。 振り返れば、そこにはプリントを入れたファイルを片手に持っている一人の女生徒が立っていた。 目の前に居る少女が、自分が通っている学園の制服であることに、直ぐ気が付いた。 「別に俺は気にしないよっと……」 そう面倒臭そうに言うと雄二は何事も無かった風に足を進めた。 「あっ…………ちょっと待ちなさい」 ――待てと言われて待つ奴が居るか、普通。あとそれと…… 「――不法侵入」 雄二は立ち止まり振り返り、自分の後ろをついてきた少女に言った。 「あっ…………」 少女は自身も彼と同じように不法侵入を犯している事に気が付くと、足を止めると小神家の敷地から一歩後ずさる。 「堺くん!……不法侵入だって!」 雄二は構うことなく、裏庭へと向かった。雄二の姿が見えなくなると、少女も呆れたのか抑止させるような言葉は聞こえなくなった。 ――あのまま叫ばれてたら、きっと警察も駆け付けるだろうしな。  
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