いきなり恋人?

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いきなり恋人?

5月下旬、季節が徐々に変わり始める頃。 あたしはひとつ木の下でひとりの男子に告白された。 名前は橘雄也。 あたしはこの人のことよく知らない。 だから…。 「ごめんなさい。あなたのことよく知らないの。だから今は付き合うとかそういうのは考えられないの…。ホントにごめんね」 そう言ってあたしはその場から消えた。 6月5日。 この日は体育祭。 あたしたちクラスは日々、練習に励んでいた。 「莉愛~!!」 叫びながらあたしの名を呼ぶのは親友の奈々本千帆。 また朝から騒がしいったらありゃしない。 「どうしたの?」 「また彼氏にフラれた…」 「え。また!?あんたどんだけ付き合ったら気が済むのよ」 そう。千帆は経験豊富な恋愛マスターなのです。 と言っても毎回、フラれてますけど(笑) まぁ。慰めてやってください。 「大丈夫だよ。千帆ならそこらへんの男でもわしづかみできるから」 「それって褒めてんの?けなしてんの?」 「んー。どうでしょう」 「はっきりしてよね。あ!!立花くん」 え!? 橘ってあの橘? 合わす顔ねーしよ。 どうするあたし。どうする莉愛。 恐る恐る後ろを向く。
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