いきなり恋人?

3/4
前へ
/26ページ
次へ
「あーあ。今日も告られたよ」 「えっ!?誰に?」 「2組の山田正大くん…」 「えー!!あいつ超がつくほどイケメンじゃん」 そう。 山田くんは立花奏斗と橘雄也を上回るほどのイケメンらしい。 はぁ…。 あたしにはさっぱりわからん。 「そうなんだ…」 「何で断ったのよ。もったいないじゃない」 「何でって…よく知らないんだもん。だったら千帆が付き合えば?」 「無理、無理!!だってあたし好きな人いるし」 い、いたんだ…。 ちょっと待ってよ。 あたし聞いてないんだけど。 「は!?何それ。初めて聞いたんだけど」 「だって…莉愛のお兄さんだもん」 「えー!!兄貴、そんなこと言ってない」 「言うわけないじゃん。だって片思いなんだもん…」 千帆、かわいいとこあんじゃん。 って元々かわいいけど。 でもまさか千帆が兄貴のことをねぇ。 あ、また登場人物増えましたね。 兄貴のことは次の回でお話します。 どんっ 「うえっ」 げっ。 すんげー声出ちまったよ。 女げねーとか言うなあー。 これでも一応、女だぁ。 一応とか…。 「大丈夫だった?」 「あ、はい…ごめんなさい」 「いや、俺のほうこそ」 謝ろうと顔を上げた時、あたしの目の前に立花くんが立っていた。 すごく眩しくて思わず目を伏せた。 「ホント大丈夫?」 優しい声にあたしはうっとりしてしまう。 「あ!!だ、大丈夫!大丈夫。あたしこそっ」 え…。 バランスが崩れあたしは立花くんに抱き抱えられた。 心臓が飛び出そうなくらいうるさい。 「ご、ごめんなさい」 「いや、そっちこそ大丈夫?」 「だ、大丈夫でーす!!」 緊張のあまり叫びながら逃げてしまった。 あっちゃー。 またやっちゃったな。 こんなに緊張したの初めて。 でもちょっとうれしかったな。 ってあたし何言ってんのよ。 相手はあの立花なのよ? 騙されちゃダメよあたし。 この出来事がきっかけでとんでもないことに巻き込まれるとはしるよしもなかった。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加