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篤姫こと幼名、一。
一は薩摩の藩主島津家の分家筋に当たる今和泉家の長女として産まれた
父、島津安芸忠剛と母、お幸の方との間にはこの時、
十歳の長男忠冬と、のちにお幸の方の実家を継ぐために家を出る次男久敬
それに五歳の三男嵳之助が育っていたが女子の初めての誕生だったので忠剛は大変喜んだ
というもの兄三人はいずれも父忠剛に似て体が弱くよく患いそのせいか気弱なところがあった
それにたいして一は体も大きく丈夫で活発な少女であったのであった
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