怒り

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周りには、建物はあるが人の気配がしない。 「いったいなんだここは?」 大通りが見えてきた。 「・・・」 僕は、言葉を失った。 道路は、木の根がハリ、台地は裂け一面赤い色で覆われていた。 「・・・なにこれ?」 僕は、秀に聞いた。 「みんな怒っているんだから仕方ない。人間は、排除されました。」 僕は、何か気配を感じた。 恐ろしくヒリヒリと冷たい視線。言葉にならない、威圧感。 振り返るとそこには、人間の足をくわえた見たこともない動物がいた。 思わず隠れた。 「・・あれ…何・・・?」 僕は、殺された感でいっぱいだった。 秀は答えた。 「人間が進化したように、動物も、一つの殻を剥いで進化したんだよ。今の足、人間の子供の足だな。ま、人間は牛肉並みに頻繁に食べられているよ。声にならない悲鳴を上げながら死んでいく。」 帰りたい。今すぐ帰りたい。そう強く思った。泣きだしそうになった。 ・・・ありえない・・・
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