いらっしゃいませ。私…

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
高校を卒業して、大学進学か就職か、ため息が出た。 「なぜかって?」 「それはお前、やりたいことないからだよ」 そんな独り言を話していた。 周りから見れば、ただのアホに思われるかもって考えたら、少し恥ずかしくなった。 僕、秀一は将来に思い悩む18歳。 今年、1年は考える年にしようと決意していた。 やっぱり、お金がいい仕事がいいなーなんてあいまいなことを考えまくっていた。 僕の家は、2階建ての古い家。 正直、自分の部屋が2階でよかったと思った。 あまり、親と顔を合わせるとぐちぐち言われそうで嫌だからである。 1階のテレビのある部屋にいき、ふとテレビをつけた。 「…また、人が殺されたかー」 思わずぼそっと言葉がでた。 最近のニュースは人殺しか、お金に関する事件ばかりだと思った。 「やっぱり将来お金が稼げる仕事しよ」 テレビを消し、2階の自分の部屋に行きパソコン広げて職業の年収調査。 「医者か、弁護士か…」 また独り言… 「会社をたちあげたらそれ以上だな」 また出た。 「まー、欲を出せば働かなくてもお金が入るようにしたいなー」 ここまで来ると、自分でも理解した。 要するに「お金がすべて」 ため息をつきながら、自分の目標が見つからないもどかしさにさいなまれていた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!