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案内役の男は、本当に僕そのものだ。
「名前は?」
「秀一」
僕と同じ名前…
「なんて呼べばいい?」
「秀一でいい。」
僕も秀一だから、無理。そう思った僕は、「秀でいいよね?」にこにこしながら言った。
同い年で、わけがわからないが、僕である以上敬語を使う必要がない。
「なんでもいい」
「秀」決定の瞬間だった。
「裏の世界なんて言うもんだから、かなり怖かったが、普通の景色が広がっている。
緑があって、山があって、空が青くて、いろんな建物もある。
ただ一つ気にかかることは、ココがどこなのかわからないこと。」
「ここって。どこ歩いてるの?」
秀は、答えてくれなかった。
ただ、さっきまでの恐怖心はなくなった。
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