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どれだけ歩いただろうか。
「さっき、一部と言ったな?」
言ったよ。
「きっと、興味本位で、人を見たかっただけ、本当は人と仲良くしたいと思っている、または自分の子供の食糧がとりにくくなって山から降りてきたりしている熊を目の前にしても同じ恐怖をかんじるだろ。」
当たり前だと思った。
「その熊が殺されてもほっとするだろ。」
「そんな熊の事情なんてわかりっこないやん。」
「そう、わかりっこない。車が、走る道路を猫や、犬が渡り引かれる。車が危険だなんて、急に止まれない、横断歩道を渡る、青信号は進め、そんなこと知っている動物がいると思うか?」
知ってるはずないと思った。正直、人間社会なんだから、そんなこといちいち考えないで、人間の暮らしやすいように地球も何もかも変えていく。それが人間社会だと思っていた。
秀はこう言った。
「人間は、全て人間。あの人、この人も全てひとまとめの人間…だろ?」
僕は、すでに言いたいことが全く分からないこのボケの話にうんざりしていた。さらに、ボケの話は続く。
「極端な話、人殺しも、人間。道端にゴミをする人も人間。お前も同じ人間。お前も、人を殺せるし、ゴミもできる。だって同じ人間なんだから。」
少し、頭にきた。
「そんな人間ばかりじゃない!!!!」
少し、強く言いすぎた。しかし、やさしい人もたくさんいる。
「さっき、熊の話したろ。同じこと言うぜ。熊も。なんで殺されるんだろって。それを知った仲間も人間に恐怖を抱き、襲うようになる。それが連鎖する。」
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