55人が本棚に入れています
本棚に追加
「つかカラオケ来たのに未だに歌ってねー。」
「今はそれどころじゃないよ龍一君!龍一君の思い出を洗いざらい…」
「言いませんよ絶対。」
「えぇ!?なんで?」
「めんどくせぇし。」
言いたくないんだよね。
言ったら何言われるかわかんねーし。
知ってんのはアホの翔太くらいだ。
「じゃ私が簡単に説明しますよ。」
オイ梨華このヤロー。
何を言ってるんだお前は。
「龍一は昔っから運が悪くていろいろ大変だったんですよ。」
「例えばどんな風に?」
「味噌汁を頭から被ったり、偶然転がってきた空き缶踏んで転んだり、なにもしてないのにたくさんの野良犬に追い回されたり。」
「それは…すごいですねー。」
そういえばそんなこともあったなー。
「龍一君大変だねー。」
「それが今までずっとですよ。見てて呆れるくらい不幸なんですよ。」
確かに不幸っちゃ不幸なんだが…
「オレは別に困ってないですよ。」
『なんで?』
全員で声揃えて聞くんじゃねー。
「オレが不幸ってことはどっかの誰かはそれだけ幸運なんだろーし、不幸でトラブルに巻き込まれたとしても、そこで苦しんでる誰かを助けられるじゃないすか。不幸だからこそ誰かを不幸から救い出せるんじゃないかな…なんてオレは思ってますよ。」
『………』
…あれ?もしかしてオレ…やらかした?
最初のコメントを投稿しよう!