シルシ

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翌日、 放課後、オレは城へと足を運んだ。 悠仁と、竜崎の邪魔をするために。 ―――ガラッ 『ゆーじーんッ!!』 オレは勢い良く扉を開け、中に居た悠仁に抱きつく。 「―――‥何しに来た」 冷たい眼差しを向ける悠仁。 ‥ドウシテ‥? ドウシテ、ソンナ顔スルノ? 『“何しに”って‥、分かんない?悠仁とヤりに来たの―‥』 ‥ガ‥っ‥ ガタン‥ッ オレは悠仁に殴られ、背中を思い切り棚にぶつけた。 「‥テメェ、ふざけんのも大概にしろ。俺はもうお前と何の関係も無い。‥ただの“同僚”だ」 ‥悠、仁‥。 どうしてそんなに怒ってるの‥? オレ‥、悪い事した? 『悠仁‥、?何怒ってんの?らしくな‥』 ガシャン‥ッ 『―――っ!?』 突然、オレに向かってグラスが飛んで来た。 「さっさと失せろ」 ‥悠、仁‥。 怒ってる‥。 『ハイハイ。分かりましたよ』 オレは立ち上がり、城を出る ―――ガララッ‥、バン‥ッ 勢い良く扉が閉められる。 ‥あーあ、 追い出されちゃった。 オレは扉の前に座り込むと、ポケットから剃刀の刃を取り出す。 そして、ゆっくり右手首にあてがう。 少しずつ力を込めると、 ぷつぷつと刃が皮膚に食い込む。 刃を滑らせてやれば 段々と広がって行く切り口。 ぽたり、と床に血が滴る。 ‥キレイだなー‥、 また1つ、印が増えた。 ‥ネェ、見テ 悠仁‥ きれいデショ? おれノ血 受ケ取ッテ? おれカラ、悠仁ヘノ        ア イ ノ シ ル シ -END- あとがき→
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