シルシ

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廊下に追い出されたオレは、ただひたすら右手首に印を付けていた。 悠仁‥。 オレの愛、いっぱい付けておくから‥。 いつか‥、受け取ってね‥? ―――ガタっ 『―――!?』 突然、城の中から物音がした。 『‥ゆぅじん‥?』 ―――「星‥」 ―――‥っ!! 悠、仁‥? 城からは、はっきりと悠仁の声が聞こえて来る。 ―――「ぁ‥っ、悠‥仁‥っ」 『――――‥』 それと一緒に竜崎の声も‥。 ―――「‥ん、何?星」 ヤメてくれ‥。 どうして、竜崎には そんな優しい声するの‥? ―――「ど‥したの‥?今日‥。なんか、ぃつもょり激し‥」 ―――「‥なんとなく」 ―――「ひあ‥ッ!?ぁ‥っ、やあ‥ッ!!」 ヤメろ、 ‥五月蠅い‥ うるさいウルサい五月蠅い!! ‥耳障りだ‥!! ―――「星‥、愛してる‥」 『―――‥っ』 嗚呼‥ どうして‥?             コトバ オレが1番聴きたかった台詞を   竜崎 そんなやつなんかに云うの? ‥ぃ、や‥っ、 悠仁‥ゆぅじん‥!!!! 竜崎に‥そんな事云わないで‥。 お願いだから‥、 オレだけ見てて‥!! ―――「‥星‥。一生‥離さねえからな‥」 ‥ぁ‥っ あ゙あぁぁあぁぁあ゙!!!!! オレは一目散にその場を走り去った。 ゆぅじん‥!!!! 嫌だよ、 どうして‥? オレの事‥キライなの‥? オレは、使われていない空き教室に入るとすかさず剃刀を取り出す。 『ゅう、じん‥。待ってて‥』 ‥今、1番大きいシルシを付けるから―‥。 そして、オレは刃をゆっくり首筋にあてがい        ―――静かに刃を滑らせた。 勢い良く噴き出す鮮血。 辺り一面真っ赤に染まって行く。 ‥意識、が‥ 朦朧としてきた‥。 ネェ、悠仁‥? 分カッテクレタ? おれノ、気持チ 悠仁‥      愛 シ テ ル ヨ              死んでも‥ね .
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