act.2

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迎えの車を断って、人通りの多い繁華街を歩く。 目的は、中学のときの同級生に会うため。 いまいち掴めないというか、失礼だけど何考えてるか分かんないやつ。 そのくせ、クラスで孤立するようなことも無く逆に人気者というか。謎なやつ。 『奢ってくれるなら行くぅー』 ( 自分に利益がないことはやんねぇのかあいつは ) さっきの電話の会話を思い出して、やや眉間に皺が寄る。やや、だが。 まぁ次の瞬間、ややどころじゃなくなったが。 「ふざけんじゃねぇぞ!」 路地裏から聞こえてくる怒鳴り声。 夜ならまだしも、日がまだ昇っている時間に喧嘩するのは止めてほしい。いやマジで。 ちらっと覗けばがたいの良さそうな兄ちゃん二人と、それに隠れている茶色い頭。 まぁもうすぐ警察も来るだろう。周りがざわめき出したから、誰かが連絡したはず。 ( やべ、時間 ) 待ち合わせの時間に遅れるわけにはいかない。なぜなら言い出しっぺだから。 茶色の頭を、ご愁傷様と思いながらもう一度覗いた。 …思えば、これば間違いだったのかも。 バチリと音がするようにあった目は、血が猛スピードで身体中を巡るような衝撃を生んだ。 なんで、そう… ( 縋るようにこっちを見るの… ) 時間もヤバい。こんなのに絡んだらますますヤバい。 そんなの分かってたのに、足は勝手にそちらへ動いていた。 パフェ追加だなこりゃ。  
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