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「…でっ!俺を呼び出すくらいなんだから何かあるんでしょ?」
いつもは赤西くんなのに。……あぁ、バレると面倒だもんね。紅蓮関係のことでしょ?
さらっとここまで見通されるから、ほんとこいつとは付き合いにくい。聖の右腕になってから、頭の回転が倍速ぐらいになったような気がする。
「DustBoxって、お前どこまでの知ってる。」
そう問いかけてもこいつは全く表情を変えない。知ってるとも知らないともとれる何ともいえない顔のまま。
「どうなんだよ」
「どうして知りたいの?」
「…言えない。」
そう簡単に言えない。というよりは俺に話していい権利はない。だって俺は紅蓮のメンバーじゃない。独断で動いてるだけだ。
ぐるぐる回る考えを田口は読み取ったようで、笑うように目を細めた。
「残念ながら俺もそんなに知らないんだ。昔からあるわけじゃなさそうだし、俺も今自分のとこが忙しくて、他のとこ構ってる余裕なくて。」
「そっか…。わりぃな、忙しいとき呼び出しちゃって」
「いいよ、ちょうどいい息抜きになったし。
DustBoxかぁ…俺の知ってるのは、ヘッドの名前が錦戸亮ってだけ」
「錦戸、亮…。」
噛み締めるみたく名前を呟けば、田口が腕時計を気にし始めたのが目に入った。
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