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「時間?」
「うん、聖にトイレ行ってくるって行ってきたからさぁー」
……………。
「はっ!?」
なんでここで頭の回転が倍遅になんだよ!
大かっ!大なのかっ!さすがに大でも長いわっ!←
「お前早く戻れよ!変なあだ名つくぞ!」
「うん、だから行くねー」
「あー…聖と一成さんによろしく言っといて」
「あはっ、了解ー」
…なんか、どうして田口がナヨ男として成南でやっていけるか分かったかも。
頭のネジの配列、絶対間違えてる
「あ、」
何かを思い出したように、立ち止まって振り返った。
「中丸くんさ、もうそろそろ抜け出さないと、行き場無くなっちゃうよ?」
…そんな宙ぶらりんの状態だったら…
「喧嘩漬けの世界に来るか、中丸くんが本来居るべき世界に戻るか。いい加減決めないと。」
「…うるせぇよ、」
自嘲するような言い方だった。
意識したつもりないのに。
分かってる、このままだったら紅蓮にも中丸の家にも迷惑がかかるって。宙ぶらりんの俺がチームに口出しとか出来ないって。
「…ならいいんだけど。
じゃあまたね。」
田口の背中を見ながら、俺の頭の中は育ててもらった親よりも、チームに誘ってくれる総長や赤西、赤の特攻服のほうが支配していた。
…俺は喧嘩漬けの世界を、望んでいる。
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