act.1

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「お前が赤獅子なのは名字からきてんだろうけどさ、俺とかなんで黒?」 「さーな、黒い服着てっからじゃねえの?そのうち鴉とかになんじゃねえの?」 「いや、笑えねえよ。明日から黄色とか着てこようかな…」 「中丸が黄色とか、俺吹き出すけど」 「失礼だなオイ」 住宅街から少し離れたところにある空き家。赤西は、自分のバイクに跨がって煙草を一本口にくわえた。 「いる?」 「いらね、嫌いなの知ってんだろ?」 「うん、わざと言ってみた」 「お前マジでシめるぞ」 腹を抱えて笑うこいつとは、中学のときからの付き合いで。 そのときからこいつは無茶苦茶なことをやってた記憶がある。まだあのころ俺は、夜は家で大人しくしてたつもり。 パンクしかかった俺に寄り道の仕方を教えてくれた。 「中丸、今日どうすんの?」 「嫌。」 「やっぱり?」 「当たり前だろうが。昨日お前が派手にやりすぎて警察が彷徨いてんだよ」 「馬鹿言えって。俺だけじゃねぇだろうが」 昨日…は、あまりいい記憶がない。知らねぇやつに絡まれて、危なく捕まるとこだった。赤西のバイクが無かったら確実に俺は今、留置所の中だな。  
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