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「お前が赤獅子なのは名字からきてんだろうけどさ、俺とかなんで黒?」
「さーな、黒い服着てっからじゃねえの?そのうち鴉とかになんじゃねえの?」
「いや、笑えねえよ。明日から黄色とか着てこようかな…」
「中丸が黄色とか、俺吹き出すけど」
「失礼だなオイ」
住宅街から少し離れたところにある空き家。赤西は、自分のバイクに跨がって煙草を一本口にくわえた。
「いる?」
「いらね、嫌いなの知ってんだろ?」
「うん、わざと言ってみた」
「お前マジでシめるぞ」
腹を抱えて笑うこいつとは、中学のときからの付き合いで。
そのときからこいつは無茶苦茶なことをやってた記憶がある。まだあのころ俺は、夜は家で大人しくしてたつもり。
パンクしかかった俺に寄り道の仕方を教えてくれた。
「中丸、今日どうすんの?」
「嫌。」
「やっぱり?」
「当たり前だろうが。昨日お前が派手にやりすぎて警察が彷徨いてんだよ」
「馬鹿言えって。俺だけじゃねぇだろうが」
昨日…は、あまりいい記憶がない。知らねぇやつに絡まれて、危なく捕まるとこだった。赤西のバイクが無かったら確実に俺は今、留置所の中だな。
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